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Mysterious Skin/ミステリアス・スキン

Mysterious Skin/ミステリアス・スキン_a0030752_10475257.jpgオーストラリアでは、上映禁止になりそうになって話題となったゲイ映画。

もうバカな話で、この映画、見てもいないのに内容だけ拾ってきて、「幼児虐待の手引き映画」とか言い出した人がいて、それで上映禁止にするべき!って展開になたんだけど、先日レーティングがR指定で一般上映がはじまった。

もともと評判がよかった映画だけに、映画批評家などから「こんないい映画、上映禁止になるなんて、もしそうなったらオーストラリアから出てく!」なんて発言もあったほど。

ストーリーは、アメリカの田舎町に住む2人の青年。1人は、10年前の一時の記憶が曖昧で、自分は宇宙人に誘拐されたのではと考えていて、同じような体験をした女性にコンタクトをとり、真相を探ろうとする。もう1人の青年ニールは、少年野球チーム時代にコーチから性的いたずらを受け、大人になった今も男性相手に体を売って小遣い稼ぎをする毎日。その2人が徐々に近付き…。

監督がGregg Araki/グレッグ・アラキといって、アメリカ在住の日系三世。今までも何本もゲイ映画を撮っているけど、過去の作品は未見。途中かなり重い展開になってくるけど、ところどころにユーモアや、ホッとするようなシーンが挿入されて、全体的に見るとうまくバランスがとれている。特に雪が舞い散るシーンは好き!

自分にとっては「幼児虐待」ってあまりピンとくるテーマではないので、見終わった後はちょっと複雑な心境。性的いたずらを受けた子供が、その後、どう成長していくか克明に描き、エイズや、バイオレントなゲイの姿など、さすがゲイ監督、っていうリアルな要素が入っているけど、なんとなくあたたかさも感じる映画。

この話に結末をつけるのは難しく、感傷的なラスト・シーンだったが、個人的には、あのラストの後の彼らの人生を見てみたい。できれば、続編を作って、この2人の青年が中年になったころを描いたら、おもしろそう。

何となく映画の雰囲気がコリン・ファレル主演の「A Home at the End of the World/この世の果ての家」に似ていたかな?この映画も、サブ・キャラクターでゲイが登場して、個人的には好きな映画。

by funnyfelix | 2005-08-25 10:48 | movie