その6. 直島・アートにどっぷり その1(長文!)

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「直島/なおしま」と聞いてもピンとくる人は少ないかと思います。

自分も友人から聞くまでは、まったく知りませんでした。

で、調べてみると、瀬戸内の小さな島を「アートによって島おこし」を行って、海外の雑誌などでも紹介され、今では国内はもとより海外でもアート好きな人々に注目されている島だそう。

ちょうど7月19日〜10月31日まで「瀬戸内国際芸術祭」が、この直島を中心とした瀬戸内海の島々で行われるので、ひょっとしたら行かれる方もいるのでは?

今回は、その「芸術祭」が行われる前に、1泊2日のスケジュールでこの直島を目一杯楽しんできました。(本当はもう1日欲しかったけど)

で、宿泊は「ベネッセハウス」

正直、けっこうなお値段です。

決して大きな島ではないので、島内ではホテル・タイプだとこの「ベネッセハウス」しかなく、後は民宿・旅館になってしまう。

当初は、雰囲気もあるし(安いし)「民宿で」なんて思っていたけど、大好きな安藤忠雄が設計した空間で寝起きできることと、「ベネッセハウス」宿泊客しか見れないアート作品もあり、さらに「美術館に泊まる」なんて滅多にできる体験ではないので、決定!

サイトで、夕食・朝食が付いたちょっぴりお得なプランがあったので、予約。

で、初日。

名古屋からこの直島へ向かったけど、新幹線で岡山まで、その後、宇野港までJRで、宇野港からはフェリーで直島へ、というルート。(東京からだと、飛行機で高松まで、高松からフェリーで直島へ、というルートもアリ)

そのフェリーは宮浦港に到着するんだけど、この港にすでに草間彌生の赤かぼちゃ!がドーンと展示。

はやくもワクワクしてきます。

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で、お昼前に宮浦港に到着して、そこからはホテル専用の小型バスで「ベネッセハウス」へ。

この「ベネッセハウス」、敷地はかなり広く、宿泊施設は美術館を中心として、いくつかの棟に分かれており、自分たちが泊まったのはパーク棟。

チェックインだけ済ませ、荷物を預かってもらって、ホテルの隣にある「地中美術館」へ、またまたホテル専用の小型バスを利用して移動。

この「地中美術館」も、安藤忠雄の設計でその名の通り地中に埋められたような美術館。

まずはチケット・センターでチケット購入と注意事項の説明を聞く。(内部の写真撮影は厳格に禁止)

それから、モネの自宅の庭園を再現した「地中の庭」を通って「地中美術館」の入り口へ。

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で、その「地中美術館」、凄いの一言!

通常「美術館」といえば、作品の展示を目的とするけど、ここはその建物自体も美術品となっていて、建物から内部の通路まで全体でアートだから、観賞するってより、まさに「体験する」って感じ。

さらに、多くの「美術館」は、常設展の他に期間限定の特別展を開催するスタイルだけど、ここは常設展のみ。その作品も、ウォルター・デ・マリア、ジェームズ・タレル、クロード・モネのたった3名のアーティストだけ。

って言うか、その3名のアーティストに安藤忠雄が加わっての「アートのコラボレーション合戦」って感じ。

まずは、入り口にドーンとでっかいコンクリートの壁、その先の薄暗いトンネルは壁が傾いていたり、かなり無機質な強い力を感じる。

が、その後のコンクリートのスリットからの優しい光や、突然目に入る植物のグリーンなどが驚きとともに楽しめ、実際の作品鑑賞前にすでに非日常の世界にドップリ!

で、最初に入ったのが「モネの部屋」

入る前にスリッパに履き替えさせられて、ちょっとテンションが下がったけど…

やられました。

今回の旅行のハイライトです!

入ってすぐは、薄暗い前室みたいな空間で、その先に光溢れた真白な空間。そこにドーンとモネの「睡蓮」がっ!

インパクトありすぎ!

一応地下なんだけど、天井から自然光を取り入れていて、床には、白い大理石のブロックが敷き詰めてあって、この部屋の光、って言うより、光の粒をはらんだ空気が白く光ってるような不思議な空間で、その中で天井の高さに負けないような巨大なモネの「睡蓮」が静かに鎮座している。

ちょうど他に人がいなかったので(研究員のような白衣を着た監視の人はいましたが)、静寂の中、作品のみではなく、それを取り巻く空間すべてに感動することができました。

他の部屋には、2メートルを超える花崗岩の球体が中央に置かれた巨大なコンクリートの神殿のようなウォルター・デ・マリアのインスタレーション。ブルーのスクリーンに入り込んで、ふと振り返ると、今度は外の空間がまるでイエローのスクリーンに見えるジェームズ・タレルの作品など、やはり観賞と言うよりは体験するアートになっています。

で、「地中美術館」の後は、「ベネッセハウス」へ戻り、「文化大混浴」へ

この「文化大混浴」は、蔡国強の作品で、風水の視点で最も気の集中する場所に中国産の太湖石36個を配し、その中央にジャグジーバスがあり、5種類の漢方薬の湯に浸かる、というもの。

これは「ベネッセハウス」宿泊客のみが利用でき、事前に予約が必要。(1人1,000円)

自分1人で参加したけど、「大混浴」ってことでアメリカから来ていたカップルと混浴となりました。

って、もちろん水着に着替えての入浴ですが、「気」がどうのこうのと言うより、瀬戸内海の雄大な景色を眺めながらの「露天風呂」って感じでした。

そのカップルは奥さんがアーティストで、旦那さんは日本とアメリカのハーフ、5歳まで日本で住んでいたそうですが、さすがに5歳ってことで日本語はほとんど話せないようでした。

英語の苦手な自分ですが、話も弾み、この後も何度か会って、最後は奥さんの作品のポストカードを頂いて、「サンフランシスコに来るなら、ぜひ、泊まりにきて!」と、すっかり友達になりました。

多分、「大混浴」と名の付いているとおり、見知らぬ旅人が同じ湯に浸かってコミュニケーションを取ることを目的としている作品と思われるので、自分にとっての体験はまさにドンピシャリのものでした。

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で、湯上がりはウエルカム・ドリンクのピンク・シャンペンを1杯!

今回宿泊したパーク棟には、ゲスト・ラウンジがあって、通常はコーヒーや紅茶がセルフ・サービスで楽しめるんだけど、夕方には無料でシャンペンをサービス。

大型のテレビでは、アート系のドキュメンタリーを放映中で、多くの人(って、やっぱ外国の人がほとんど)がシャンペン片手に見てました。

で、その後は「ミュージアム・ギャラリー・ツアー」

パーク棟からメインの美術館のあるミュージアム棟へ移動して、そこで美術作品を解説してくれるツアーに参加。

モダン・アートって難しそうだけど、こうした裏話的なエピソードや作品を理解するのに役立つ情報などを聞くと、グっと近親感が湧きます。

で、夕方になり、またまた「地中美術館」へ移動。

そう、日没から行われるジェームズ・タレルの「オープン・スカイ」ナイト・プログラムに参加です。

ってこれまた事前予約が必要で、「地中美術館」の入館料とは別途で500円(1人)が必要です。

自分たちは、「ベネッセハウス」の予約と同時にこちらも予約したのですが、話をした他のホテル・ゲストの人(これまた外人ですね)の多くが予約オーバーで参加できなかったようで、大変羨ましがれました。

で、このナイト・プログラムなんですが、昼間に見た「オープン・スカイ」。これは正方形の部屋で、その天井が一回り小さい正方形の穴があいているような空間で、その空の色の変化により、回りの白い壁の色が影響されて違った色に見えてくる、といった作品。

が、空の色ってそんな劇的に変わるものではなく、ポカーンと四角く切り抜かれた空を眺めてるようなもの。

しかし、その壁にはLEDの照明が埋め込んであって、このナイト・プログラムでは、回りの壁の色を変化させることで、空の色が変化して見えるというもの。

定員は25名で、ゾロゾロと薄暗い閉館後の美術館を「オープン・スカイ」を目指して歩いていくのはなかなかです。

天井は窓ではなく、完全に解放されているので、ちょっと冷えます。

って思ったら、ちゃんとブランケットを貸してくれて、みんな膝に乗せてます。(さすが、日本です!)

壁沿いのベンチに25人が腰掛け、みんなが天井を見上げてスタート。

ゆっくりゆっくり壁の色が変わっていきます…

壁が赤くなると、空は青みを帯びてくるし、今度は壁が青くなると、空が赤く見える…、と面白い体験でした。

その壁の色も強い赤色になると、壁と空の境界に青い線が見えたりして、もう凄い!

特に最後、部屋全体の明るさが段々暗くなってくると、グレーに見える空の色と、壁の色がどんどん近付き、一瞬境目が見えなくなったと思ったら、さっきまでの暗い空が、今度は、まわりが真っ暗になるに連れて、明るく見えてくる…

驚嘆の声が漏れてました。

で、その後は「ベネッセハウス」のへ戻って夕食。

今回の宿泊パッケージは食事付きで、和食と洋食が選べるようになっていて、迷わず「和食」

日本酒ではなく、辛口の白ワインで懐石のコースを堪能しました。

って、まさに「美術館の中のレストラン」、大好きな杉本博司の「海景」に、本当の瀬戸内海の真っ黒な海を見ながらの夕食。

贅沢です。

食事の後は、またまた「美術館」をゆっくり散歩。

って誰もいない「美術館」…

これまた大好きなデイビッド・ホックニーを独り占め!

贅沢です。

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で、部屋の帰りは、ミュージアム棟からパーク棟は歩いても10分程度の距離なんですが、夜遅いこともあって、フロントで車を手配してもらいました。(もちろん、宿泊客なので無料です)

って、パーク棟に戻っても、まだ部屋には戻りません!

このパーク棟にもいくつかの作品が展示してあり、それが杉本博司!

夜中に1人で杉本博司を堪能です。

通常、「美術館に泊まる」ってコンセプトを楽しむんだったら、やはりミュージアム棟の宿泊がベストなんだろうけど、杉本博司好きの自分としては、階段下りたら「杉本博司」ってのは非常にインパクトがありました。

この杉本博司の作品は宿泊客でしか見られないので、やはり「ベネッセハウス」、それもパーク棟、っては自分的にはベストなチョイスでした。

さらにパーク棟は、安藤忠雄にしては珍しく、木をふんだんに使ったホットする暖かみを感じる部屋になっており、ベランダに座って夜の瀬戸内海を眺めながら、ゆっくりお茶を飲んでベッドの時間まで過ごしました。


日本旅行記2010
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by funnyfelix | 2010-07-03 15:34 | long trip