シングル・マン/A Single Man
今年のマルディグラ映画祭でも上映され、2月下旬からシドニーで公開されているのが「シングル・マン」
ゲイのファッション・デザイナー、トム・フォードの初監督作品。
って、先日のアカデミー賞にもプレゼンテーターとしても出演していたけど、マジ、ハンサム!
監督じゃなく、俳優として大画面で見たい感じ。
で、映画の方は、さすがデザイナー、ってことで当然衣装も、映像も凝っていて、ややもするとそんなところが鼻に付いたりしそうなんだけど、しっかり彼の世界観が表現されていて、初監督ながら十分合格点!
って、自分のまわりのゲイ友は、全員「よかった」と言っていて、評判はかなりいい。
16年も付き合った恋人が突然の事故死。
しかも、家族からは葬式の参加も拒否され…
舞台が1960年代なので、おおっぴらに2人の関係が認められる訳もなく… と、テーマがそのあたりに行くかと思ったら、まったくスルー!
恋人が亡くなって、その喪失感をひたすら追ってる、って感じで、このあたりが今までのゲイ映画とは違うところ。
って、あまりゲイ映画らしくないかも?
直接的なシーンもあまりないから、一般の人が見やすいし、テーマもゲイ限定、って訳でもないし。
で、キャスティングが、また大成功してる!
主演のコリン・ファースは、アカデミーの主演男優賞にノミネートされたぐらいだからわざわざ言わなくても、って感じで、個人的にはジュリアン・ムーア!
いやー、もうこういった綺麗でセンスがあって大人の女で、でも寂しがりで…ってゲイ受けする女性を見事に演じている。
さらに、事故で亡くなってしまう恋人も、いいんだー
1つのソファーでお互い、まったくジャンルの違う本を読んでて、その2人がマジで絵になる!
でもって、主人公は教授なんだけど、その彼を慕う生徒。
これ、どっかで見たことあるなー、って思ってたら、あのヒュー様の「アバウト・ア・ボーイ」の男の子!大きくなりました!
ってことで、かなり絶望的な内容で、ストーリーだけを追うと悲惨な話だけど、映画が終わったとき妙に幸福感を感じられる映画。
ゲイ、ストレート関係なくお薦めです。
で、個人的に一番のシーンは、犬の匂いを嗅ぐところ。自分、犬は飼っていないけど、すっごく共感できたシーンでした。
って、さっきのソファーの読書シーンも好きだし、夜の海のシーンとか酒屋のシーンも… シンプルなつくりなので1つ1つのシーンが明確に記憶に残るからか、どのシーンも静かに心の中にとどまっている感じ。
マルディグラ2010・スペシャル/トップ・ページ
by funnyfelix | 2010-03-29 19:44 | movie